18G0601 飯田円香「温又柔さんの作品から考える私の『ふつう』と他者の『ふつう』」 (2021年度国際文化学部卒業論文).pdf

    • 小中 彩音
      小中 彩音

      温さんの作品を通じ、「ふつう」という概念について掘り下げていく切り口が非常に面白いなと感じながら拝読させていただきました。このような点こそ、国際文化学部の「文化」が単なるcultureではなく、intercultural communicationである所以なのでしょうか。特に印象に残っているのが、「日本語は日本人だけのものではない」という言葉です。今まであまり考えたことがなかったのですが、言語はあくまでも意思疎通のツールであって、使い手次第で無限の可能性があるものなのだと改めて感じることができました。

      末尾になりましたが、素敵な卒業論文、お疲れ様でした。

      • 山形瑞希
        山形瑞希

        飯田円香さん、先輩の卒業論文を読ませて頂きましたので感想を送りたいと思います。

         

        温氏の作品に触れたことで人々が持つ「普通」について改めて考えることが出来ました。外国にルーツを持つアイデンティティについて言うと、この論文を読む前のわたしだったら、きっと宮本氏のように相手の立場に立って彼らの心情を考えることなく突き放していたと思います。私自身、生まれも育ちも日本ですが、この国際文化学部に入ってから、外国人の方と話すことが増えました。中にはハーフであったり、海外経験がある人々を羨ましく思ったり、第二言語教育の講義で第二言語を早期学習すべきかを問う授業では、アイデンティティを失う可能性があると聞いたりしたこともありました。正直、アイデンティティが異なる方々の気持ちは分からずにいましたし、あまり理解しようとも思っていませんでした。しかし、グローバル化が進む中で、自分の「普通」を相手に押し付けるのは大変失礼だと感じました。コロナが終息すれば、更に人の動きが盛んになる世の中になると思いますが、自分の殻に閉じこもらず、相手の「普通」に入り込むことも大事だと思いました。

         

        更に、国籍関係なく日常生活に関していうと、相手の「普通」を理解しようとすることが重要ではないかと感じます。最近、人と人が交流する際、どのようにすれば上手く人付き合いができるのか考えることがあります。思い返すと、自分もしくは相手がお互いのことを知ろうとしている姿勢がある時良い関係が作れるのではないかなと思いました。この他人が考える普通と自分の普通はやはり異なる点が多いでしょう。それを受け入れ、考え方の違いや、衝突する点、共感できる点を話し合ったり、問いかけたりする必要があると思います。

         

        まだまだ差別や偏見が残る世の中ですが、この論文を読んでまだまだ無知なところばかりだと気付かされました。相手を理解するためにも知識をつけ、彼らの歴史的背景や状況を理解できるようにしたいと感じます。ありがとうございました。そして、四年間お疲れ様でした。