授業コード: C1111
言語文化演習(アジアから見た日本)
担当 鈴木 靖
配当年次 2~4年
授業の概要と目的(何を学ぶか)
中国や台湾、韓国などアジアの人々の対日イメージと日本人の自己イメージとの間には大きな懸隔があり、良好な近隣関係を築く上での障害となっている。この授業では「アジアから見た日本」をテーマに、これらの国や地域と日本との政治的関係や文化的交流の歴史を概観するとともに、アジアの人々の対日イメージに大きな影響を与えた事件や人物に焦点を当て、それらが当該国や地域の教育やテレビ・映画などを通じてどのように語り伝えられているかを学ぶ。
到達目標
アジアの人々の対日イメージがどのように形成されたかを理解し、日本とアジアという双方の視点から問題を考える力(「共感力」 empathy)を養い、国際社会人として円滑な異文化間コミュニケーションを行う力を身につける。
授業の進め方と方法
今年度は春学期に台湾、秋学期に日韓中の交流史について学ぶ。
春学期には、台湾でベストセラーになった『図説・台湾の歴史』をテキストに台湾の歴史を概観するとともに、台湾の人々の対日イメージに大きな影響を与えた事件を取り上げ、それが台湾の歴史教科書やドラマ、映画の中でどのように描かれ、記憶されているかを学ぶ。
秋学期は日米の東アジア研究者による講演をまとめた『アジア理解講座 ④日韓中の交流~ひと・モノ・文化』をテキストに、古代から近代にいたる日韓中の交流史を学ぶ。 また、これらの学習と並行して、アジアに関連したドキュメンタリー映像作品を制作する。昨年度は在日コリアンの学生さんに取材した映像作品を制作した。 課題や発表に対するフィードバックの方法としては、受講生全員が参加する LINEのグループを用意し、これを通じて全員または個別にフィードバックを行う。
授業計画
【春学期】
回 | 内容 | 担当 |
1 |
なぜ台湾の歴史を学ぶのか? |
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2 | 日本語版への序文、本篇 第1章 誰の歴史か? 第2章 先史時代の台湾 pp.6-28 |
大野・月森(飯田) |
3 | 本編 第3章 先住民とオーストロネシア語族、第4章 「美麗島」の出現 pp.29-62 |
山形・武田(奥島) |
4 | 本編 第5章 漢人の故郷と移民開墾社会、第6章 漢人と先住民の関係 pp.63-92 |
蛭間・小中(小関) |
5 | 本編 第7章 日本統治時代、第8章 二大抗日戦争 pp.93-122 |
佐藤・岡田(高木) |
6 | ★ドラマと映画が伝える霧社事件 |
中谷・岡村(武村) |
7 | 本編 第9章 植民地化と近代化、第10章 知識人の日本統治下の台湾 pp.123-162 |
柳原・中島(深澤) |
8 | 本編 第11章 台湾人の芸術世界、第12章 戦争下の台湾 pp.163-194 |
渥美・野村(松浦) |
9 | ★台湾人軍人・軍属の動員と戦後補償問題 |
李・大野(村野) |
10 | 戦後篇 はじめに、第1章 二・二八事件 pp.195-222 |
月森・山形(飯田) |
11 | 戦後篇 第2章 「白色テロ」の時代、第3章 党国教育 pp.223-238 |
武田・蛭間(奥島) |
12 | ★先住民の戦中・戦後 |
小中・佐藤(小関) |
13 | 戦後篇 第4章 民主化、歴史記憶、私たちの道のり pp.239-263 |
岡田・中谷(高木) |
14 | ★台湾の現在と未来 |
岡村・柳原(武村) |
【秋学期】
回 | 内容 | 担当 |
15 |
朝鮮半島に視点をおいてみる |
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16 | 古代の渡来人 |
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17 | 日本古代における漢字文化の受容 |
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18 | 海を渡った古代日本の人々 |
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19 | 国際社会としての中世禅林 |
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20 | 倭人たちのソウル |
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21 | 韓中の絵地図に描かれた日本列島周辺 |
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22 | 倭寇の時代 |
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23 | 秀吉の朝鮮出兵(壬申・丁酉倭乱) |
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24 | 壬申・丁酉倭乱の戦後処理と「朝鮮通信使」 |
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25 | 通信使の行列を「読む」 |
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26 | 朝鮮後期の日本観 |
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27 | 「平和外交」が育んだ侵略・征韓論 |
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28 | 秋学期のまとめ |
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テキスト
【春学期】
【秋学期】