こんにちは、復旦大学に留学している王林思遥です。復旦大学で学んだこと、中国で歴史学を学びに留学する方に向けて、復旦大学の学生について紹介します。かなり長文になってしまったので読みたくない人は読まなくていいです。
留学先では中国語、中国近現代史、近代中国の国際地位の変遷、Introduction to International Relation、近代日本と中国という授業を履修しました。11月半ばから近代中国の女性史の授業を聴講しました。
歴史学部の授業はつまらないものが多く、面白い授業を探そうと女性史の授業を聞いたところよかったので先生に聴講の許可を頂き、ネットに挙げている資料もきちんと見せて下さりました。授業がつまらないと思ったら様々な授業を聴講してみるのもありだと思います。
復旦大学では毎週海外の大学教授、舛添さん(日本前東京都知事)など様々な方が講演をして下さるのでとてもいいです。ヨーロッパの大学の先生の第一次世界大戦の原因、民族衝突と歴史認識、京都大学の山室先生や韓国の大学の先生から東アジアの歴史の講義を聞きました。
履修して後悔した授業
留学生高級中国語
この授業履修しなければよかったと後悔しました。というのも国際政治学部の教授が教えているのですが、音読し難しい単語を口頭説明したり雑談し問題の答え合わせをするだけなので自分でやるのとほぼ変わらないと思ったからです。文法の解説もありませんでした。語学の授業を取るなら国際交流学院が開講している授業がいいのではと思いました。
中国近現代史(上)
授業が難しいため中国人のノートを見て勉強していました。日本では近代中国は西洋と中国の衝突と語られることが多いのですが、この授業では清末政治の汚職、腐敗や財政破たんなどを学び、中国の面から清朝が崩壊した原因を学びました。
授業のレジュメがなく、先生が歴史の本に書いてあることをそのまま話すだけなので最後まで授業を理解することができませんでした。先生に留学生だから事前にどういう本を読めばいいかと聞いたら、ネットやシラバスに資料を挙げているから自分で探しなさいと言われネットの資料は150p、400pとかだったりして量が多すぎて留学生には厳しく、この授業は取るべきではなかったと後悔しました。
履修してよかった授業
近代中国の国際地位の変遷
国際条約の原文、外交官の日記だと一次資料を非常に重視する先生で中国語の資料をたくさん読まされます。下関条約を原文で読み、日本が中国に条約を承諾させるため厳しい条件を課していたことなど条約を原文で読んだからこそわかったことがあり、課題が多く大変でしたが、経済から見る国際関係や中国とロシア、アメリカとの関係を学ぶことができ視野が広がり、中米関係に興味を持ちました。期末論文では太平洋戦争中のアメリカの中国に対する軍事援助とヤルタ協定から中米関係を考察しました。
Introduction to International Relation
IRという欧米の国際関係学を学びました。IRの4つの理論やIRの歴史といった国際関係学の基本を政治や経済面を中心に学び、エッセイやグループプレゼンテーションをしました。エッセイは第一次世界大戦、第二次世界大戦について、グループプレゼンテーションは北朝鮮の核問題について発表しました。初めて英語のプレゼンをしたのですが中学からアメリカにいる日本人が原稿を添削したり一緒に練習してくれたので助かりました。
近代日本と中国
先生が日本と中国両方の歴史を理解しており
授業は日本史ベースでしたが、日本人が清末中国を見た感想、留学生の交流、辛亥革命の時の日中交流、汪兆銘が和平を目指していたことなど近代日中交流を中心とした新しいことを学ぶことができました。期末論文では南京大虐殺からの中日歴史認識の差異を考察しました。
近代中国の女性史
近代中国の女性解放運動、女性に関する共産党の政策、男性史など様々なことを学ぶことができました。
1番印象に残ったのは、先生が11月に開催された中国の女性に関する会談で習首相が女性の家庭の役割を強調しているのが新しい特徴であると話していたことです。授業後に家庭の役割を強調しているということは習首相は女性を軽視しているのかと質問したところ、先生は「あなたは外国人だから中国の事情を知らない。私個人の考えとしては習首相は保守的であると思う。ただ女性が外で働くのを認めていないわけではない。この背景には農村からの出稼ぎが増え留守児童が増えているなど農村問題がある。」と言われました。あとでじっくり考えてみても、農村問題があるから女性は家庭に戻り仕事をするべきという習首相の考えは根本的な解決になるのか疑問ですし先生の答え方からも習首相は女性を軽視しているなど何か裏の可能性があるのではと思ったのでこれから習首相の女性に関する考え方にも目を向けていきたいと思いました。
戦前までの歴史は先生方も自由に講義をするのですが、戦後に関しては共産党の政策を前面に出し自分の意見をあまり言わない気がするのでその点では中国は学問的に制限されている部分があると思いました。
選択科目、国際政治学部の授業が面白かったので来学期も国際政治学部や選択科目の授業を履修したり選択科目を中心に見て歴史学部の面白い科目を探してみます。必修科目はつまらないものが多いです。
中国で歴史学を学ぶために留学する人に向けて
私ははっきり言って準備不足でした。留学前に法政大学文学部史学科開講の中国近現代史を履修し、アヘン戦争から現代まで1学期で学んだり夏休みに日本語訳中国の高校の歴史の教科書を読みました。
しかし中国の歴史学部では近代のアヘン戦争から現代まで1年半かけて学ぶので内容が深いため、日本で中国近現代史の政治史、財政史、外交史といった近現代史の各分野の本を事前に読んでおかないと厳しいと思いました。歴史学についての本も読むと履修出来た授業も増えたかもしれません。
そのため中国近現代史の授業や中国人のノートを見ても理解するのに時間がかかり百度百科や電子辞書で調べていましたが、それでも理解しきれない部分がありテストで大変な思いをしました。
復旦大学の学生について
復旦大学の学生はみんな真面目かと思っていたのですがそうでもないです笑つまらない科目に対してはパソコン開いてwe chatやゲームをしている人もいます笑笑
ただ面白い科目では授業後に先生に積極的に質問する学生が多かったりプレゼンでは多くの資料を読むのですごいなあと思っています。授業で読んだ資料で自分が知らなかったことをノートに書いたりする学生を見て本当に真面目な人は真面目なんだと思いました。
ただプレゼンに関しては中国人は全体的に下手な人が多いですね。上手い人もいますが少なく、日本人や外国人の方が上手いです。中国人は多くの資料を読み発表するのですが、PPTには文字ばかりで…人のことは言えないのですが内容が多すぎて結局何を言いたかったのかわからない人が多いです。
中国近現代史の授業でプレゼン発表のとき、先生が携帯やパソコンいじっている人が多いからあなた達の発表がつまらないよねと言うくらいです笑
近代中国国際地位の変遷と女性史の授業は全体的にプレゼンが上手い人がまだ多い気がします。
長文になりましたが今学期はノートを見せてくれた中国人、プレゼンの練習に付き合ってくれた日本人など様々な方々に助けられたので感謝しています。
来学期も頑張ります(o^^o)